家守綺譚
「庭をこよなく愛する作家」
ということで、自分の中で決定してしまった梨木香歩氏。
それというのも、「裏庭」「西の魔女が死んだ」くらいしか読んだことがないせいでしょう。
そして今回読んだのが「家守綺譚」。
実をいうと「裏庭」があまり好きになれなかったため、梨木さんの本を読むのをためらっていたのですが、この「家守綺譚」は各誌で絶賛されていたため、少し読んでみたかったのです。
やたらいろんな植物の名前が出てきて!!本当に自然を愛好する作家さんという感じ。
イギリスの児童文学も、やたらめったら草の名前が出てきたりするけど(そしてその日本名がやたら長い・・・・・タイム→タチジャコウソウ、みたいな)そのあたりきちんとイギリス児童文学の流れをくんでる日本の作家さん、という感じなのでしょうか。たしか、イギリスに修行にいらしていたような気がしたので。
それにしても、近頃の作家さんは、ほとんど植物の名前に無頓着な方が多いような。まあ、だいたい自然の風景を描写する作品なんかが絶対的に少ないせいかも。昔の本を読んでいると、案外いろいろ出てくるんだけど。まあ、着物の図案になっていたりするせいかな。
ということで、やたら植物の名前に詳しい・・・・・・あんまり現代的じゃない男性の主人公さんです。実際、舞台が明治?大正?その辺りなのでフィットしています。
(現代では「植物の名前に詳しい」=「オバチャン」のイメージくらいしかない・・・・・)
妖艶な女性を思わせる、庭の草木たち。
百日紅、ツリガネニンジンの回では、岡野玲子さんの描く「陰陽師」を思い出してしまいました。
知らない植物の名前も数多く登場し、最後の方は図鑑と首っ引き状態。さすが植物知識初心者の自分・・・・・・。
ま、ドクダミ、葛、ススキ、カラスウリなどなどは余裕で、ふふん・・・・と鼻歌状態でしたが。
ツリガネニンジン、セツブンソウ、そして貝母にいたっては・・・・・ひいいいい。分からない上に、図鑑にすら載ってないよう![]()
梨木さんの植物の知識に、お見それいたしましたです、はい。
そして植物や動物、妖怪、そして亡き親友である高堂との心の交流が、静かで古びて荒れた邸宅を舞台に、美しく描かれていると思いました。
この日本庭園や主人公が歩き回る山野の存在そのものも、やはり百年ほど昔??だけあって、外来種が非常に少ない、もしくはほとんど登場しないように思われました(えー、昔々に渡来したヤツは登場していますです・・・・)
ということで、古きよき日本の植物風景ですね。日本庭園が舞台なので、作家さんはその辺り、わざと外来種を描かない、そういう意図もあったのではないかと思います。
私の住んでいるのも同じ関西なんですが、田畑をつぶしたゴミゴミした住宅地&舗装された道路・・・・・という環境ですので、このように風情のある植物風景はもはや山奥にわざわざ行かねば見ることができません。
・・・・・そして、わざわざ山奥に行ったとしても、植林されつくした場所だったりすると、ほとんど何も発見できなかったりして悲しい・・・・・。
あと、関西、ということでひとつ気になったのは、悲しいことに、だれも関西弁を話さないコト・・・・・。あの辺りに住んでる人間が、東京の言葉を遣うわけがなかろう・・・・・と、いつもいつも思うのですが。関西弁で小説を書くと、下品な感じになってしまうのであろうか???
(「鹿男」でも「夜は短し」でも、関西弁は見事に抹殺されていました・・・・・
)
このへん、何とかならないですかねえ・・・・残念です。
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